夜越え
崩れてもいい夜。
明るくて黒さなどいっさい感じさせない歌を唄いたいのに
あたしはいつもどこか暗さに滲んでいる。
あなたが「会いたい」とあたしを繋ぐ度
根拠ない恐さにとりつかれるの。
あなたは鬼かもしれない。
優しさや愛しさを知っている厄介な鬼かもしれない。
そしてあたしも。
鬼になりきれない損な青鬼。
やりきれない鬼と可哀想な鬼で
探り合わせながら「愛してる」だけを唄えたらいいのに。
あなたの悪質をえぐりとったところであたしは上手に愛したりもできずに。
鬼のまま愛すしかなかった。
鬼のまま崩れていくしかなかった。
星と孤独が降り積もり始めた。
あなたのその疲れたツノを怯えながら撫でるの。
大きな音をたてないで。
消えてしまいそうになる。
安らかに眠りなさい。
あなたが鬼でも愛しているの。
あなたが消えてしまっても鬼だったからと諦めれる。
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